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前エントリーでは、情報収集の最適化に関して書いたが、
今回は情報収集の最終目的であるアウトプットについて言及してみたい。
時代の変化
人はなぜ、せっせと情報を収集するのか?
人はなぜ、せっせと情報を収集するのか?
少なくともビジネスにおいて言えば、アウトプットを行うためだろう。
しかし、最近は目的不在というか、収集自体が目的化しているのではないかと思うことがしばしばある。
暇さえ見つければ、ネットにアクセスし、何かしらを閲覧していて、そこに明確な目的は存在していないようだ。
情報過多とよく言われており、実際にここ10年で選択可能な情報量は530倍に膨らんだそうだが、完全な情報過多は、考える力の低下を招いていないだろうか。
個人的には、YouTubeが登場した頃から、この傾向が始まったように感じている。
なぜか?
ネットの役割が変わったからだろう。単純におもしろいのである。
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現代は「情報過多の時代」だ、という声はここ数年でよく耳にするようになった。
特にWEBの発達によるデジタル情報の増加は著しく、既に数年も前から「個人が処理できる情報量を遥かに超えている」といわれ続けている。もはやニュースアグリゲーションもRSSリーダーも役不足でしかない。
そのような背景を受け、最近では情報の「キュレーション」というキーワードが流行語のように飛び交い、佐々木俊尚氏を中心に体系化されようとしているのは周知の通り。
今回は、情報のインプットに対する考え方と、最適化に必要な理想のツールについて考えてみる。
そもそも「情報」は増えたのか?
情報が増えた要因はWEBの発達
人類の歴史の中でも、出版やラジオ・TVが発明され、メディアの種類と発信量が増える度に、人々が得られる情報は増加してきた。またメディア以外でも、技術の発達により、物理的に人間が見ることができるモノは常に広がり続けている。
出版もTVもなかった時代は、目に入る情報・モノ自体が今より圧倒的に少なかったはず。
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音楽コンテンツと電子書籍は何が違うか?
4回に渡って、電子書籍について考察をしてみたが、先にデジタル化した音楽コンテンツとは何が違うだろうか?追記として、少し考えてみたい。
CD(デジタル)化された音楽とナップスター
映画「ソーシャルネットワーク」は見ただろうか?この映画では、ファイル共有ソフトであるナップスターの創業者ショーン・パーカーが登場しており、こんな発言をしている。
「やつら(音楽業界)は確かに裁判には勝った。だが、見て見ろ、CDの売り上げはどうなった?」
この発言には、音楽業界(ここでは既得権益者)がショーン・パーカーに破れ、デジタル化へ歩まざるを得なくなった事実を物語っている。
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これまで3回に渡って、電子書籍の現状・変化・未来について考察を続けてきたが、最後の回では、新たに生まれるであろうビジネスについて考察をしてみたい。電子書籍という市場はまだ生まれたばかりであり、新しいサービスや市場が生まれるチャンスがあちこちに転がっているはずだ。
市場機会はどこにあるか?
まずは、どの辺りにチャンスがありそうかをまとめてみたい。
市場を分類してみる
電子書籍市場には、ごくごく簡単に分類すると以下のようなプレイヤーが存在している。
基本的には上記のプレーヤーが中心におり、周辺にプロモーションや関連産業(電子書籍化のためのソフト開発者など)を立ち上げる事業者が取り囲むイメージだ。
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電子書籍の未来
電子書籍が一般社会へ普及する頃には、どのような状態になっているだろうか。どのような業界構造、市場構造になっているだろうか。少し予測してみたい。
ちなみに個人的見解として、一般に普及しているのは2013年以降と予測している。
デバイスフリーへの流れ
既にGoogleが開設している「Google eBooks」ではデバイスフリーの方針を採っている。Google eBooksでは、データはクラウドで管理し必要に応じてデバイスに落として読むというものだ。どのデバイスで読むかは関係ない(Kindleなど認めないデバイスも存在するが)。
この流れは今後加速する。どう考えてもユーザーにとって便利だからだ。この書籍データはこの端末で、別の書籍データは別の端末でしか読めないというのであれば、そもそも普及しないだろう。難解な流通構造は支持されない。
どのストアで購入しようが、どのデバイスで読もうが、ユーザーの自由にでき、各デバイス間が同期してくれないと不便で仕方がない。またそうでなければ電子書籍のメリットが1つ消えることになるだろう。
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電子書籍の変化について
前回に引き続き、電子書籍の変化について考えてみたい。
今回は、「
電子書籍の普及によって何が変わるのか?」について焦点をあてて考察してみたい。
音楽コンテンツ市場がアナログからデジタルに移行したように、紙書籍でも現在進行形で移行が進んでいるが、果たして何が変わるのか?音楽コンテンツとはやや違った変化を見せると個人的には考えている。
HTMLと電子書籍
電子書籍とは何か?単にテキスト情報ならHTMLでいいのではないか?と思う。
「電子書籍」という単語を使うことで目新しさが出て、課金する口実もなるほどできる。事業者からすれば格好の言葉である。しかし随分前から我々はHTMLでテキストを読んできた経験がある。この差はどこにあるのか?
個人的には、これは単に「見せ方」でしかないと考えている。実際には、同じテキスト情報であるため、本質的な差はそこには存在しない。
しかし、HTMLで長編小説を読む気になるだろうか?HTMLで絵本や図鑑を見る気になるだろうか?また、全ての書籍情報がHTMLになるだろうか?なるわけがない。
つまり、HTML(無料)と電子書籍(有料)では住み分けが行われることになると考える。
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今回は、電子書籍に関する現状を踏まえた上で、以下の点を考察してみたい。
問1:電子書籍化されることで、何がどのように変わるのか?
問2:電子書籍の未来はどのようなものか?
問3:未来にはどのようなビジネスが創出されているのか?
また、長文になるため4回に分けて書くことにした。
個人的な見解が多分に含まれているため、「それは違う」というご意見があることは容易に想像がつくところだが、ご容赦いただきたい。また間違いがある場合は、ぜひご指摘いただきたい。
電子書籍市場の現状について
2010年が電子書籍元年だと多くのメディアで書かれていたが、本当の変化はこれから起こる。2010年は幕が明けたに過ぎない。
2010年は各企業が本格的に電子書籍市場に参入を開始した年であり、メディアが爆発的に取上げた年であり、消費者が少し意識し始めた年である。コンテンツがデジタル世界に流れはじめ、消費者が利用するには、まだ数年の時間が必要になるだろう。一般に普及している頃の可能性について言及する前に、まずは現状を改めて整理して理解しておきたい。
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4~5年前のGoogleといえば負けなしだった。
突出した技術力、革新的アイデア、優秀なビジネスモデル、素敵なオフィス。誰もが憧れる世界有数のブランド企業だ。
主な収益は広告モデル2種。AdWordsと AdSense。この広告収益が売上の90%以上を占めており、年間276億ドルの売上があるというんだからすごい。
しかし、そんな天下のGoogleを取り巻く環境も、少しずつ変わりつつあるようだ。大きなポイントとしては以下の3点。
トラフィック流入元の変化
【参考リンク】
【データ公開】トラフィックの主役はサーチエンジンからソーシャルメディアに変わるのか、を検証してみた。
各サイトへのアクセス元といえばGoogle様様の状態で、流入元比率の大半を担っていた。しかし今は少し状況が違う。流入元としてソーシャルサービスが割り込んでくる時代がきた(しかし、あくまで比率なので相対的な数値)。これは、ユーザーが情報を求めて訪れる先としてソーシャルサービスを選択するようになった、さらにはソーシャルサービスによって受動的に人々の目に情報が飛び込んでくるようになったことが考えられる。
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1996年のGoogle誕生以来、WEB上の情報コンテンツへの入り口は検索サイトが主流となった。
検索サイトは独自のアルゴリズムを持ち、キーワードを軸に、ユーザーが必要とする最適な情報を
提供する優れたシステムだ。
しかし現在、WEB上における情報過多はさらに勢いを増しているといえる。
日々増え続ける膨大な情報の中で、「何が本当に必要な情報か?」「何がノイズか?」はユーザーの価値観によって
変わる。ノイズを減らし、整理を行った上で(キュレーションの必要性)、ユーザーの個性に合わせた情報提供の必要性が出てきている。
それを踏まえ、WEB検索の未来である「ソーシャルサーチ」について考えてみる。
ソーシャルサーチって何?
現代において「ソーシャルサーチ」という言葉は、まだ完全に定義されていないと思われる。
本エントリーでは「ソーシャルサーチ」を下記のようなものとして定義する。
“ソーシャルプラットフォームとの親和性が高い拡張機能を兼ね備え、そこから収集される
ユーザー個人の属性情報を解析し、検索結果を個人別にカスタマイズする検索システム。”
※現在Googleが実装している「Google Social Search」とは少し趣旨が違う。
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マーケティングについて
コトラーの新しい書籍「Marketing3.0」が販売されて話題になったが、企業のマーケティング活動は確実に新しい転機を迎えている。
コトラーによれば、従来のマーケティングは「2.0」であり、これからは「3.0」だという。WEB2.0からWEB3.0へ移行するように、マーケティングの世界でも、大きなパラダイムシフトが起こっていると。
さて、本論に入る前に、ここで「マーケティング」という概念を定義しておきたい。本コラムで言うマーケティングとは、簡単に一言「売れる仕組みづくり」である。消費者が欲しいと思う商品を生産し、欲しいと思うタイミングを演出し、欲しいと思うタイミングで販売する機会を用意することだ。
所謂、PUSH型営業とは対極の言葉であり、消費者サイドに「欲しい」と思わせる仕掛けをつくる行為そのもの全体を「マーケティング」と定義する。